結婚について考えること
1999年1月17日『クリスチャン新聞』より
幸せな結婚への道
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結婚について考えること
談笑中にテレビである女優を見かけた。 「やあ、この女優さん久しぶりだな」 「結婚したんだよね」 と私が言うと、 「結婚して、もうとっくに別れてますよ」 別の人が 「でもこの人、もったほうよね」 聞くところによると別れて5年くらいになるらしい。私があまりテレビを見ないために情報が刷新されていなかったのだ。 これは20代前半の女性と30代半ばの女性と話し合っている時の会話である。二人とも独身で、両親の結婚を見ていると結婚する気にはなれない、と言う。彼女たちは言う。「よくあれで(自分たちの両親)別れないんだよね」 30代の女性は幸せな結婚が無理なら独身でもいたいと言う。両親のような不幸な結婚は「ごめんだ」との気持ちが伝わってくる。結婚しない人が増えているとはいえ、幸せな結婚が約束されるなら結婚をしたいというのが本音であろう。幸せな結婚にはどんな要素が必要とされるのであろうか。
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幸せな結婚の要素
社会学者は次の4つを幸せな結婚に必要な要素としている。相手にこれを求めるだけでなく、自分がこの要素をクリアーしているか自問自答して、この領域で取り組むことにしよう。
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健全なセルフイメージ
自分に価値があることを感じているかいないかで、大きな違いが出てくる。劣等感でもなく、優越感でもなく、人と比較しないで、私は私で価値があると感じている人は、バランスのとれた生き方をしている。あなたにはあなたにしかできない仕事がある。このことが把握されている人は自分の価値を否定しない。自分の価値を確信できている人は、他人や物を利用して自分の価値を感じようとする必要がない。自分の健全なセルフイメージを育成する第一歩は、神の目を通して自分の価値を確信することである。主イエスがあなたのために命を捨てられたのであれば、あなたに価値がないわけではない。第二歩は、他人のセルフイメージを健全にするお手伝いをすること。否定的でなく、批判的でなく、相手の徳を高めるような会話を心がけるなかで、自分のセルフイメージも健全にされていく。
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人間関係の技術
結婚は複雑な人間関係である。年齢差、性差、義理の人間関係、親子の関係と複雑である。良い人間関係なしに幸せな人生の実現は難しい。独身であったとしても、人生の幸不幸はこの人間関係の質によって決まる。自分のうちにある「支配性」をもろに出した人間関係は破綻する。相手を批判し、変えようとして、強制する方法しか知らなければ、結婚は失敗する。人間関係の原則は親しい友人に接するように、相手の自由を尊重し、相手を「所有」していると思わないことである。結婚や家族の諸問題は、結婚相手や自分の子どもを所有していると考えるところから起こってくる。
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性に対する健全な態度
性関係が祝福されるのは結婚というきずなの中である。今時、性を否定的にみる人はいないかもしれないが、優しさの欠如した暴力的な性が、夫婦の間に否定的な要素を持ち込むことがある。きずなの外での性関係は虚言癖を生み出す。信頼は失われ、一度失われた信頼を取り戻すのは、極めて困難である。性欲をコントロールすることはどんな社会でも期待されているが、日本の今の社会はそれを失いつつある。
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幸せな結婚のモデル
自分の親が幸せな結婚生活をしている人にはモデルがある。親にそれが期待できない人は大きなハンディを負っている。子どもが成人するまでは、と離婚を我慢している夫婦がいる。成人してから親に離婚されて影響が少ないと言えるだろうか。子どもは、結婚に対して自信が持てない。躊躇もする。これが晩婚化に貢献している。親に期待できないのなら、身近なこところでそのようなモデルを探すことである。聖書のなかで、キリストが教会を愛された愛は、まさに夫婦愛である。「それゆえ、人はその父と母を離れ、妻と結ばれ、ふたりは一心同体となる。この奥義は偉大です。私は、キリストと教会とをさして言っているのです」結婚のモデルは、聖書の中にも見いだせる。
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健全なセルフイメージ
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基本的欲求を満たす
以上の4つの要素は相手に求めるのではなく、自分がまず身につけることである。だれでも幸せな結婚を望んでいる。自分がその要素を身につければつけるほど、相手に魅力的に映るはず。人間関係で4つの基本的欲求がバランスよく満たされた人は幸せである。愛し、愛され、友人がいる、仲間がいる、このグループに属していると感じる「所属の欲求」。自分の価値、重要さが感じられる、役立っていると感じる「力の欲求」。選択できる「自由の欲求」。楽しくありたいという「楽しみの欲求」。こうした欲求が満たされている人は、独身であっても幸せなはずである。あなたの独身生活が不満足なら、あなたはまだ結婚適齢期ではない、と言った人がいる。幸せな、充実した独身生活を送ることが、幸せな結婚の最良の準備とも言えよう。